さて前回の記事でPhotoshopでの作業を進める上で効率化を図るために常に意識していることが3つあると紹介しました。
非破壊、自動化、共通化
今回は其の一として非破壊について実例を踏まえながらテクニックを紹介いたします。
下記おさらいです。
非破壊での編集を心がける。
非破壊での編集とは元の画像データはいじらずに調整レイヤー等を利用して間接的にデザインを施していくことです。そうすることによって必要に応じて復元できるので直しや細かい調整に強いデータになります。
利用する主な機能
調整レイヤー、スマートオブジェクト、レイヤーマスク など
それでは早速、下の画像のようなキービジュアルを制作した案件を例に解説していきます。
(※本物のデータは公開出来ないので人物などの写真は差し替えています。
また、サンプルなので作りこみは雑ですがご了承下さい。)
まずは完成データ(PSD)を下記よりダウンロードをお願いします。
ダウンロードしたらPSDデータを開きながら解説を見ていただけると幸いです。
①まずはじめにレイヤーパネルのフィルタリング機能でスマートオブジェクトを絞り込みます。
②3つのスマートオブジェクトが絞り込まれるのでそれぞれダブルクリックで展開してください。
③すると下のような3つの画像が表示されます。元データがそのままの状態で保存されていることが確認出来ます。これが非破壊の一番基本となるスマートオブジェクトによる非破壊編集です。
[環境設定]/[一般]の[配置時にスマートオブジェクトを常に作成]にチェックを入れることをおすすめします。
④レイヤーグループ「背景」の中のレイヤーグループ「tone」の中身を確認してください。この中には調整レイヤーが複数入っています。この調整レイヤーで昼間のスタジアムの写真を夜になるように加工を施しています。
調整レイヤーをつかうことによって元の画像をいじることなく間接的に色調補正などの加工を施すことができます。
⑤最後にレイヤーグループ「選手」のレイヤーマスクについて。レイヤーマスクについては今更説明は不要だとおもいますが念のため簡単に説明しておきます。マスク設定を行うことでレイヤーを擬似的に透明(非表示)化することができます。白の部分が表示で黒の部分が非表示になります。レイヤー自体を消しゴムツールなどで削除してしまうと後戻りは出来ませんがマスクを利用することによって簡単に復元することが可能です。
今回の例のようにレイヤーグループにもマスクを掛ける事ができるので仕上がり領域のみを確認しながら作業をすすめられるという利点もあります。
以上が非破壊の解説でした。
次回(公開日未定)は其の二として「自動化」についての記事を書きたいと思います。
【予告】作業効率化のための三箇条
其の二「自動化」
Photoshopにはアクションのように作業を記録して保存、再利用するようなとても便利な自動化機能が多数用意されています。作業のたびに繰り返すような単純作業はすべてアクションやスクリプトなどの機能を使って自動化しましょう。
この記事では私が実践しているプログラム知識がなくても簡単にオリジナルのスクリプトが作成できるテクニックも紹介したいと思っています。