変数

変数機能の活用術「映像編」

映像制作でも変数機能が大活躍!
Photoshopが使えない人とも作業を分担!

結婚式のラストに流れるエンドロールムービーを題材に映像制作にも役立つ変数機能のTipsを紹介します。

データ入力(CSV)のフォーマットにちょっとした工夫を加えることによってさらに効率化を図ります。映像制作にかかわらずデータ入力の作業を分担したいときにも役立つTipsです。

※このTipsではAfter Effectsを使用します。またこのTipsに出てくる人物名及びメッセージの内容は架空のものです。

エンドロールムービー制作

このような映像制作の場合、まず新郎新婦に原稿を作成してもらう必要があります。この原稿を入力するシートに工夫をすることによってスムーズにデータのやり取りをおこなうことができます。

どのような工夫をしているかというと1つのエクセルファイルに2つのシートを用意して1つ目のシートを「原稿シート」として新郎新婦が入力する用に体裁を整えます。2つ目のシートは「CSVシート」として「原稿シート」からデータをリンクさせPhotoshopで読み込むCSVの体裁に加工します。

こうすることによって新郎新婦から原稿を受け取ったら「CSVシート」のデータをコピーしてすぐにPhotoshopで読み込むためのCSVを作成することが可能です。

Google スプレッドシートが開きます。

エンドロール原稿

エンドロールムービー制作手順

Photoshopで素材データ作成

まずはサンプルデータ(295MB)をダウンロードしてください。

DOWNLOAD

(1)ダウンロードした「endroll_start」フォルダ内の「エンドロール.psd」を開きます。
(ここではPhotoshopでのグラフィック制作は省略していますがご自身で作る場合はドキュメントサイズ「幅 1920 px , 高さ 1080 px , 解像度72ppi」で作成してください。テキストレイヤー「名前」はポイントテキスト、「メッセージ」は段落テキストにします。)

(2)テキストレイヤーに変数を定義します。[イメージメニュー]/[変数]/[定義]を選択。

(3)変数ダイアログが開くのでレイヤーのプルダウンメニューを開き「名前」と「メッセージ」それぞれ変数を定義していきます。

テキストレイヤー「名前」

変数の種類の「テキストの置き換え」にチェックをいれて名前に変数名「名前」と入力します。

テキストレイヤー「メッセージ」

変数の種類の「テキストの置き換え」にチェックをいれて名前に変数名「メッセージ」と入力します。

変数の定義が完了したら「次へ」をクリックします。

(4)「読み込み」をクリックするとデータセットの読み込みダイアログが出てくるので「ファイルを選択」をクリックして「endroll_start」フォルダ内の「data.csv」を選択します。「最初の列をデータセット名として使用」にチェックが入っていることを確認して「OK」をクリックします。

(5)データセットのプルダウンメニューを開きデータが読み込まれていることを確認し「適用」をクリックしたのち「OK」をクリックします。

(6)レイヤーパネルで「bg」レイヤー横の目のアイコンをクリックして「bg」レイヤーを非表示にします。

(7)データセットを個別ファイルに書き出します。
[ファイルメニュー]/[書き出し]/[データセットからファイル]を選択。

(8)「フォルダーを選択」をクリックして保存先を指定します。

(8)保存先は「endroll_start」フォルダ内に「字幕」というフォルダを作成して「選択」をクリックしますい

(8)次にファイルの命名規則を設定します。今回は[データセット番号(01,02…)]+[アンダースコア(_)]+[データセット名]と設定します。 この場合(01_[名前].psd…)というファイル名で書き出されます。 設定が完了したら「OK」をクリックして書き出しを実行します。

(9)以上で素材作成が完了です。保存先フォルダを確認してください。

After Effectsで素材に動きをつける

[After Effects CC 2014 操作画面]

(1)After Effectsを起動します。

(2)[ファイルメニュー]/[新規]/[新規プロジェクト]を選択して新しいプロジェクトを作成します。すぐに[ファイルメニュー]/[別名で保存]/[別名で保存]を選択して「endroll_start」フォルダ内に「エンドロール.aep」というファイル名で保存します。

(3)[ファイルメニュー]/[読み込み]/[ファイル]を選択して「エンドロール.psd」を読み込みます。

(4)読み込みのダイアログが表示されるので下の画像のように指定して「OK」をクリックします。これで背景レイヤー「bg」が読み込まれます。

(5)読み込んだ「bg/エンドロール.psd」を「新規コンポジションを作成」アイコンにドラッグ&ドロップします。

(6)「bg/エンドロール」というコンポジションが作成されるので右クリックをして「コンポジション設定」を選択します。
※コンポジションとは?(Adobe公式サイト)

(7)コンポジション設定ダイアログが表示されるのでコンポジション名に「エンドロール」、デュレーションに「0:03:00:00」と入力します。

(8)[ファイルメニュー]/[読み込み]/[ファイル]を選択して動画素材「sample_movie.mp4」を読み込みます。

(9)プロジェクトパネルに読み込まれた「sample_movie.mp4」をコンポジションパネル「エンドロール」上にドラッグ&ドロップして下の画像の位置に配置します。

(10)[ファイルメニュー]/[読み込み]/[ファイル]を選択して「字幕」フォルダを選択してフォルダごと読み込みます。

(11)プロジェクトパネル上で「字幕」フォルダ内のPSDデータをすべて選択(01_山根 健一様.psdをクリックしたあとShiftキーを押しながら30_高松 薫様.psdをクリック)して「新規コンポジションを作成」アイコンにドラッグ&ドロップします。

(12)複数アイテムから新規コンポジションダイアログが表示されます。
静止画のデュレーションに「0:00:07:00」と入力して「OK」をクリックします。

(13)プロジェクトパネルに「01_山根 健一様」というコンポジションが作成されるので右クリックをして「コンポジション設定」を選択します。

(14)コンポジション設定ダイアログが表示されるのでコンポジション名に「字幕」、デュレーションに「0:03:00:00」と入力します。

(15)タイムラインパネルですべてのレイヤーを選択した状態で[P]キーを押して位置プロパティを表示します。時間インジケーターが「0:00:00:00」の位置にあることを確認してストップウォッチのアイコンをクリックします。するとキーフレームが設定されるのでコンポジションパネルで下の画面のように字幕をAの位置からBの位置へ移動させます。(画面外へ移動)

(16)次に時間インジケーターを「0:00:07:00」の位置に移動します。今度はBの位置からCの位置へ移動させます。そうすると自動的にすべてのレイヤーにキーフレームが設定されます。
これで字幕が下から上へ流れる動きが完成です。時間インジケーターを左右に動かして動きを確認してください。現時点ではすべての字幕が同時にスクロールしている状態なので次のステップで順番に字幕がスクロールされるように設定します。

(17)すべてのレイヤーを選択した状態のまま右クリックをして[キーフレーム補助]/[シーケンスレイヤー]を選択します。

(18)シーケンスレイヤーが表示されるのでオーバーラップにチェックを入れてデュレーションに「0:00:01:00」と入力します。トランジションはオフのままにします。

(19)これでスクロールテキストの完成です。時間インジケーターを左右に動かして動きを確認してください。

(20)プロジェクトパネル上のコンポジション「エンドロール」をダブルクリックして開きます。プロジェクトパネル上のコンポジション「字幕」を下のキャプチャのようにタイムラインパネルの一番上にドラッグ&ドロップします。

(21)最後に[ファイルメニュー]/[書き出し]/[レンダーキューに追加]を選択して動画ファイルとして書き出しましょう。

エンドロールムービーの完成です!

こちらの記事もご覧ください。

変数機能の活用術 総集編:Photoshop CC 2015版
基本編 変数機能をサンプルデータをもとに解説します。
DTP編 プロフィールカード100名分をあっという間に作成するTips
Web編 複数サイズのWebバナーを短時間で作成するTips

変数機能の活用術「基本編」

Photoshopの変数ってどんな機能?

ある1つのベースとなるグラフィックから複数種類のバリエーションを作成する場合、通常ですと一つ一つテキストレイヤーを打ち換えたり画像を配置しなおしたり手作業で変更をしていく必要があります。 この面倒な手作業の部分をCSVからデータを取り込むことによって半自動化してくれるのが今回紹介する変数機能です。

変数機能でできることは3つ

  • 画像レイヤーを別の画像に置き換え
  • テキストレイヤーの文字列を変更
  • レイヤーの内容の表示と非表示の切り替え

変数機能の利用手順について

まずはサンプルデータ(1.5MB)をダウンロードしてください。

DOWNLOAD

① ダウンロードした「basic_start」フォルダ内の「フルーツ.psd」を開いてください。
可変させたいレイヤーに対して変数を定義していきます。
[イメージメニュー]/[変数]/[定義]を選択。

② 変数ダイアログが開くのでレイヤーに変数を定義していきます。

レイヤーのプルダウンメニューを開き可変させたいレイヤーを選択してそれぞれ変数を定義していきます。

テキストレイヤーの文字列を置き換える場合…

変数の種類の「テキストの置き換え」にチェックをいれて名前に変数名を入力します。

画像レイヤーを別の画像に置き換える場合…

変数の種類の「画像の置き換え」にチェックをいれて名前に変数名を入力します。

レイヤーの表示・非表示を切り替える場合…

変数の種類の「表示」にチェックをいれて名前に変数名を入力します。

変数の定義が完了したら「OK」をクリックします。

③次にPhotoshopで読み込むためのCSVを作成します。

ここではMicrosoft Excel (以下Excel)を使いCSVファイルを作成します。

まず1行目にPhotoshopで定義した変数名を入力します。 (名前、画像、SALEアイコン)

そして2行目以降には変数に代入する値を入力していきます。(下記参照)

名前 画像 SALEアイコン
りんご img/apple.jpg

TRUE

バナナ img/banana.jpg FALSE
スイカ img/watermelon.jpg

TRUE

ぶどう img/grapes.jpg FALSE

テキストレイヤーの文字列を置き換える場合…(名前)

文字列を入力してください。

画像レイヤーを別の画像に置き換える場合…(画像)

画像列のセルにはCSVの保存場所から画像への相対パスを入力します。今回CSVはベースとなるPSD(フルーツ.psd)と同じ階層に保存するのでそこから画像への相対パスはimg/□□□.jpgとなります。

レイヤーの表示・非表示を切り替える場合…(SALEアイコン)

表示させる場合は「TRUE」、非表示にする場合は「FALSE」と入力します。

※変数の順番に決まりはありませんが1列目はデータセット名にもなるので管理する上でわかりやすいものにしましょう。データセット名は書き出す際にファイル名にも指定できます。
今回は「名前」を1列目にしているので(りんご.psd、バナナ.psd…)というファイル名で書き出すことができます。「画像」や「SALEアイコン」を1列目にしたら駄目だといことがわかりますね。

すべての入力を終えたら別名保存で「フォーマット」のプルダウンメニューを開き「CSV」を選択して「フルーツ.psd」が保存されている階層に保存します。

④Photoshopに戻り、CSVを読み込みます。

[イメージメニュー]/[変数]/[データセット]を選択。「読み込む」ボタンをクリック。「データセットの読み込み」ダイアログの「ファイルを選択」をクリックして先ほど作成したCSVを選択します。特別な理由がない限り「最初の列をデータセット名として使用」にチェックを入れます。これにチェックを入れないとデータセット名が自動でデータセット01、データセット02…のように連番で名前が付けられてしまいます。

最後にOKをクリック。

⑤これでCSVのデータが読み込まれた状態になりました。変数ダイアログのデータセットのプルダウンメニューからデータセットを切り替えて確認してみましょう。確認できたら「適用」をクリックしたのち「OK」をクリックしてダイアログを閉じます。(データセットの切り替えは[イメージメニュー]/[データセットを適用]からも可能です。 )

⑥全てのデータセットを別ファイルに書き出す手順
[ファイルメニュー]/[書き出し]/[データセットからファイル]を選択。
「保存オプション」で保存先を指定して「ファイルの名前」で命名規則を指定します。
下記指定の場合は(1_りんご.psd、2_バナナ.psd…)というファイル名で書き出されます。

最後に「OK」をクリックして書出しを実行して完了です。保存先を確認してください。

以上が変数機能の活用術「基本編」でした。

こちらの記事もご覧ください。

変数機能の活用術 総集編:Photoshop CC 2015版
DTP編 プロフィールカード100名分をあっという間に作成するTips
Web編 複数サイズのWebバナーを短時間で作成するTips
映像編 結婚式のエンドロールを簡単に作成するTips

変数機能の活用術
総集編:Photoshop CC 2015版

Dearpsではこれまでに「変数機能」を利用したTipsを何度か紹介させていただいていますが、今回あらためて総集編としてまとめました。DTP、Web、映像などさまざまな場面で変数機能を活用した事例をもとに解説します。
変数機能を利用したことがない方のためには基本編を用意いたしましたのでそちらからどうぞ。

目次
基本編 変数機能をサンプルデータをもとに解説します。
DTP編 プロフィールカード100名分をあっという間に作成するTips
Web編 複数サイズのWebバナーを短時間で作成するTips
映像編 結婚式のエンドロールを簡単に作成するTips

変数機能の活用術「基本編」

Photoshopの変数ってどんな機能?

ある1つのベースとなるグラフィックから複数種類のバリエーションを作成する場合って結構あるかとおもいます。そういった場合、通常ですと一つ一つテキストレイヤーを打ち換えたり画像を配置しなおしたり手作業で変更をしていく必要があります。 この面倒な手作業の部分をCSVからデータを取り込むことによって半自動化してくれるのが今回紹介する変数機能です。

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変数機能の活用術「DTP編」

プロフィールカードを100種類サクッと作成する

上の画像のようなプロフィールカードを100名分作成します。普通に作業してたらうんざりですよね。写真を差し替えて、テキストをそれぞれ打ち替えて別名保存…。

こんなときに変数機能を利用すれば驚くほど簡単に100種類のPSDを作り出すことが可能です。

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変数機能の活用術「Web編」

変数機能とスマートオブジェクトを活用したWebデザインの効率化

毎月のキャンペーンでバナーをサイズ違いで複数種類つくらなければならない…。そんなときは変数機能とスマートオブジェクトを活用して効率化を図りましょう!マルチデバイス向けのカンプ作成にも応用できるTipsです。

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変数機能の活用術「映像編」

映像制作でも変数機能が大活躍!
Photoshopが使えない人とも作業を分担!

結婚式のラストに流れるエンドロールをサンプルに映像制作にも役立つ変数機能のTipsを紹介します。上の動画のスクロールテキストのデータを変数機能で作成します。

データ入力(CSV)のフォーマットにちょっとした工夫を加えることによってさらに効率化を図ります。映像制作にかかわらずデータ入力の作業を分担したいときにも役立つTipsです。

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いかがでしたでしょうか?Photoshopの「変数機能」をご理解いただけましたか?
わりと知名度の低いこの「変数機能」ですがアイデア次第で最強の効率化機能に進化します。

今回紹介したTipsがみなさんの業務の効率化を図る上でのアイデアの種となれたらうれしいです。

変数機能の活用術「Web編」

変数機能とスマートオブジェクトを活用したWebデザインの効率化

同一イメージのデザインで複数種類のサイズ違いを制作することってよくありますよね?特にWebバナー制作案件は多くの場合がそのようなパターンだと思います。そんなときは変数機能とスマートオブジェクトを活用して効率化を図りましょう!
マルチデバイス向けのカンプ作成にも応用できるTipsです。

まずはサンプルデータ(15.7MB)をダウンロードしてください。

DOWNLOAD

まずは汎用的に使えるフォーマットを作成

さまざまな案件に対応できるベーシックなフォーマットを作成する

(1)新規ファイルを作成。新規ダイアログの「ドキュメントの種類」をアートボードにして[幅180px、高150px 72dpi]として「OK」をクリック。この時点で任意の場所に「format_bnr」フォルダを作成して「bnr.psd」というファイル名で保存をしてください。

(2)レイヤーパネルの「アートボード1」をダブルクリックしてアートボード名を「 bnr01.jpg」とします。

(3)[レイヤーメニュー]/[新規]/[アートボード]を選択して下記3つのアートボードを追加します。

アートボード名 高さ
bnr02.jpg 125 px 125 px
bnr03.jpg 468 px 60 px
bnr04.jpg 234 px 60 px

 

(4)アートボードの位置を調整します。移動ツール(v)を選択した状態で移動したいアートボードをcommand + クリックすると移動ができます。

(5)長方形ツール(U)でアートボードのエリア外に大きめの正方形(shift + ドラッグ)を作成してレイヤー名を“bg”に変更します。(後にバナーの背景になります)

(6)“bg”レイヤーを選択した状態で[レイヤーメニュー]/[スマートオブジェクト]/[スマートオブジェクトに変換]でスマートオブジェクト化して、
一旦“bg”レイヤーは縮小しておきます。

(7)また(5)〜(6)と同じ行程でスマートオブジェクトを作成してレイヤー名を“object”にします。(後にバナーに入るオブジェクトになります)

(8)レイヤーパネル上で“bg”レイヤーと“object”レイヤーを同時選択(shift + クリック)した状態でaltキーを押しながらアートボード「bnr01.jpg」内に移動して複製します。
アートボード「bnr01.jpg」内の「レイヤー1」は不要なので削除します。

(9)“bg”レイヤーと“object”レイヤーの位置とサイズを調整します。“bg”レイヤーはアートボードのサイズいっぱいに、“object”レイヤーは少し小さめに配置します。
※拡大縮小する際に縦横比が変わらないようにshiftキーを押しながら変形してください。

(10)バナーに入れる情報を文字ツール(T)で作成します。今回は「テキスト大」、「テキスト中」、「テキスト小」を作成します。

(11)これでバナーの構成要素が揃いました。
アートボード「bnr01.jpg」内のレイヤーを全てのアートボードに複製していきます。アートボード「bnr01.jpg」内のレイヤーを全て選択(shift + クリック)した状態でaltキーを押しながら他のアートボード内に移動して複製します。

複製した際に下記画像のようにアートボードのエリア外にでてしまったレイヤーはアートボードグループから外れてしまいます。そのような場合は外れてしまったレイヤーを選択して移動したいアートボード内にドラッグ(カンバス上でもレイヤーパネルでもどちらでもOK)すればグループ内に移動することができます。

(12)それぞれのレイヤーの位置とサイズを調整します。

(13)次に変数を定義していきます。[イメージメニュー]/[変数]/[定義] を選択します。
ダイアログが出てくるのでレイヤーのプルダウンメニューから「テキスト大」を選択します。
次にテキストの置き換えチェックボックスにチェックを入れて変数名を入力します。(変数名は、文字列、アンダースコア、コロンのいずれかで始める必要があります。ピリオド、ハイフン、アンダースコア、コロン以外の特殊文字、スペースを含むことはできません。)今回は「テキスト大」と入力します。
すべてのテキストレイヤーに変数を定義します。今回定義する変数名は下記表を参照してください。

レイヤー名 テキスト大 テキスト中 テキスト小
変数名 テキスト大 テキスト中 テキスト小

(14)すべてのテキストレイヤーに変数が定義されたことを確認します。レイヤーの横の(*)マークが変数定義済みのしるしです。完了の場合は「OK」をクリックして変数ダイアログを閉じます。

(15)次は値を入力する為のcsvを作成します。
1行目に先ほど定義した変数名を入力します。
(
2行目以降は変数に代入する値を入れるのですが今はフォーマット作成が目的なので空欄のままでOKです。)

(16)入力できたら[ファイルメニュー]/[保存]を選択。保存先に「format_bnr」フォルダを指定しフォーマットのプルダウンメニューから「CSV」を選択して「保存」ボタンをクリックします。

以上でフォーマットが完成です。今回作成したPSDファイルとCSVファイルをフォーマットとして持っておけば、さまざまな案件に汎用的に利用することができます。アートボード、テキストレイヤー、オブジェクトの数は想定される案件によって増減してください。

フォーマットデータは最初にダウンロードしていただいたデータの「bnr_finish」 フォルダ内にあります。

Webバナー(複数サイズ・種類)を
高速で制作する

フォーマットを使用してWebバナーを制作

それではこれからは先ほど作成したフォーマットの利用手順を解説していきます。
今回は日本全国で開催されているセミナーイベント「CSS Nite」のバナー制作という架空の案件を題材にしました。

(1)先ほど作成した「format_bnr」 フォルダを複製してフォルダ名を「cssnite_bnr」に変更します。
※「format_bnr」 フォルダはフォーマットして使用するため直接変更を加えないように注意してください。

(1)「cssnite_bnr」フォルダ内の「data.csv」を開き2行目以降に変数に代入する値を入力します。今回は下記画像のように入力しました。入力を終えたら上書き保存をして閉じます。

(2)次に「cssnite_bnr」フォルダ内の「bnr.psd」を開きます。

(3)CSVファイル「data.csv」をPSDに読み込みます。[イメージメニュー]/[変数]/[データセット]を選択。「変数」ダイアログ右側の「読み込み」ボタンをクリック。「データセットの読み込み」ダイアログの「ファイルを選択」をクリックして「cssnite_bnr」フォルダ内の「data.csv」を選択して「開く」をクリックします。「最初の列をデータセット名として使用」にチェックが入っていることを確認して「OK」をクリックします。

(4)これでCSVのデータがPSDに読み込まれました。変数ダイアログのデータセットのプルダウンメニューからデータセットを切り替えて確認してみましょう。確認できたらデータセット「OKINAWA」を選択して「適用」をクリックしたのち「OK」をクリックしてダイアログを閉じます。

(5)これからはグラフィックに変更を加えていきます。レイヤーパネルの“bg”レイヤーのサムネイルをダブルクリックしてスマートオブジェクトを編集します。
[ファイルメニュー]/[埋め込みを配置]を選択して最初にダウンロードしたサンプルデータ内の「素材/沖縄/海.jpg」を配置します。ピンク色の「bg」レイヤーは不要なので削除します。上書き保存をして閉じるとアートボードすべての背景が変更されていることが確認できます。

(6)同じように“object”レイヤーのサムネイルをダブルクリックしてスマートオブジェクトを編集します。

[ファイルメニュー]/[埋め込みを配置]を選択してサンプルデータ内の「素材/沖縄/シーサー.png」を配置します。青色の「object」レイヤーは不要なので削除します。上書き保存して閉じます。

(7)あとはレイアウト、サイズ調整、レイヤー効果での装飾、追加パーツの配置などをして完成です。

(8)沖縄版が完成しましたがこれを札幌版に変更してみましょう。
[イメージメニュー]/[データセットを適用]を選択。データセットを適用ダイアログの「SAPPORO」を選択して「適用」をクリックします。テキストレイヤーがデータセット「SAPPORO」

の情報に更新されました。

(9)レイヤーパネルの“bg”レイヤーのサムネイルをダブルクリックしてスマートオブジェクトを編集します。
[ファイルメニュー]/[埋め込みを配置]を選択してサンプルデータ内の「素材/札幌/雪の結晶.jpg」を配置します。「海」レイヤーは不要なので削除します。上書き保存をして閉じるとすべての背景が変更されていることが確認できます。

(10)同じように“object”レイヤーのサムネイルをダブルクリックしてスマートオブジェクトを編集します。

[ファイルメニュー]/[埋め込みを配置]を選択してサンプルデータ内の「素材/札幌/時計台.png」を配置します。「シーサー」レイヤーは不要なので削除します。上書き保存して閉じます。あっというまに別バリエーションの完成です。

画像を書き出す

各アートボードを画像ファイルとして書き出します。
[ファイルメニュー]/[生成]/[画像アセット]を選択。たったこれだけ。

PSDデータが保存されている階層に「(PSDファイル名)-assets」フォルダが自動で作成され画像ファイルが保存されます。

マルチデバイス向けのカンプ作成

レスポンシブWebデザインのカンプ作成にもこのTipsは応用できます

レスポンシブWebデザインのカンプをつくる際にテキストレイヤーに変数を定義して、画像をスマートオブジェクトにしておけば直しに強いデータができます。
最初にダウンロードしていただいたデータ内の「responsive」フォルダにサンプルデータが入っています。

こちらの記事もご覧ください。

変数機能の活用術 総集編:Photoshop CC 2015版
基本編 変数機能をサンプルデータをもとに解説します。
DTP編 プロフィールカード100名分をあっという間に作成するTips
映像編 結婚式のエンドロールを簡単に作成するTips

変数機能の活用術「DTP編」

プロフィールカードを100種類サクッと作成する

某アイドルグループのコンサートグッズを制作した時のテクニックを紹介します。

右の画像のようなプロフィールカードをベースとしてメンバー全員分制作するという案件でした。

最近のアイドルグループは研修生なども含めると100名近くメンバーがいることも珍しくなくその案件でも約100種類のデータを制作しなければいけませんでした。

クライアントからの提供素材
メンバー全員分の写真、プロフィール情報が入力されたエクセルファイル

参考ファイルのダウンロードは以下から。(50MB)

DOWNLOAD

もしこれを通常の手作業でやると次のような手順になると思います。

①写真を差し替え

②テキストレイヤーをひとつずつ打ち替え

③別名保存

↑100回繰り返す

この方法では時間と労力の無駄ですし、手作業によるミスが発生する可能性もあります。
このような時に変数機能を活用すれば驚くほど

「あっというまに、簡単に、正確に」

大量のグラフィックを作成することが可能です。

では手順をおって解説していきます。

変数機能でプロフィールカードを
100種類作成あっという間に作成する方法

①まずはじめに写真をフォルダ(photo)ごとベースとなるPSDと同じ階層にコピーします。

②次にPhotoshopで読み込むためのCSVを作成します。 プロフィール情報のエクセルファイルを開き加工していきます。Photoshopに読み込むCSVは1行目が変数になるので行を挿入して変数名を適宜入力します。

画像列のセルには画像を読み込むためのパスになるのでCSVの保存場所から画像の保存場所への相対パスを入力します。今回CSVはベースとなるPSDと同じ階層に保存するのでそこから画像への相対パスはphoto/001.jpgというような形になります。

③すべての入力を終えたら別名保存で「フォーマット」のプルダウンメニューを開き「CSV」を選択してベースとなるPSDファイルが保存されているところと同じ階層に保存します。

④次にPhotoshopでベースとなるPSDを開き、可変させたいレイヤーに対して変数を定義していきます。

[ファイル]/[イメージ]/[変数]/[定義]を選択。

変数ダイアログが開くので、レイヤーのプルダウンメニューを開き、可変にさせたいレイヤーを選択し、変数の種類の「テキストの置き換え」にチェックをいれて名前に先ほど作成したCSVと紐づくように変数名を入力します。

同じように可変させたいレイヤーすべてに変数を定義します。

変数の定義が完了したら「次に」をクリックします。

⑤次の画面で「読み込む」ボタンが表示されるのでクリック。「データセットを読み込み」ダイアログの「ファイルを読み込み」をクリックして先ほど作成したCSVを選択します。特別な理由がない限り「最初の列をデータセットとして読み込み」にチェックを入れます。これにチェックを入れない場合データセット名がデータセット01、データセット02のように連番で名前が付けられてしますのでデータ管理が煩雑になってしまいます。

最後にOKをクリック。

⑤これでCSVのデータが読み込まれた状態になりました。データセットを切り替えて確認してみましょう。

⑦今の状態ではまだPSDが1つのの状態なので全てのデータセットを別ファイル(合計100個)に書き出します。
[ファイルメニュー]/[書き出し]/[データセットからファイル]を選択。
「保存オプション」で保存先を指定して「ファイルの名前」で命名規則を指定します。

OKをクリックすると書き出しが実行されます。

⑧100件のファイルが書き出されました。次に写真のサイズやレイアウトの調整が必要なデータ全てを調整します。100個分のデータとなると調整が必要なデータは1つや2つではないので、ここでもアクションやバッチ機能を利用して効率化を図りましょう。

調整ができたら全ての工程が完了です。

変数機能は時間短縮や、作業が楽になる、データ作成が正確にできるというのはもちろんのこと
エクセルを利用するのでPhotoshopを使えない人にも入力作業などを分担させることができるっていうのが結構大きなメリットだったりします。
アイデア次第で、きっとみなさんの業務にも活用できると思うので、ぜひこの機会に利用してみてはいかがでしょうか?

参考ファイルのダウンロードは以下から。(50MB)

DOWNLOAD

【Illustratorネタ】変数を利用して大量のバリエーションを作成する

今回はPhotoshopではなくIllustratorネタを紹介します。

昨年末、私は某アイドルグループのグッズ制作に追われていました。短期で入稿データを数100種作成しなければいけない…。。。
最近のアイドルグループは1グループ100名近くいるのもざらでコンサートごとに全員分、ハンドタオルやらキーホルダー等のグッズを制作するんですね。それをちまちまオペ作業で対応するのにはとてつもない手間も時間もかかってしまうのでPhotoshopの様に変数を利用してデータの流し込みでガンガン入稿データを作成できないかと悩みました。

Photoshopの変数とは少し勝手が違うので少し工夫が必要でしたが超絶楽にデータを作成する方法を考えついたので紹介します。
我が家のアイドル(^^)をサンプルに一連の作業の流れを掲載します!

①ベースとなるアイテムをデザインします。今回変更したい部分は「テキストレイヤー」と「リンク画像」です。

②[ウインドウ] / [変数]を選択し変数パネルを表示します。

③変数を設定する「テキストレイヤー」1を選択した状態で「変数パネル」2のボタンをクリックします。次に3の変数名を適宜変更します。

④つぎに変数を設定する「リンク画像」1を選択した状態で「変数パネル」2のボタンをクリックします。次に3の変数名を適宜変更します。

⑤「変数パネル」の「データセットをキャプチャ」1のボタンをクリックします。 つぎにサブメニュー2から「変数ライブラリを保存」をクリックし、任意の場所にXMLファイルを保存します。

⑥前のステップで保存したXMLファイルを「Dreamweaver」等のエディタで開きます。赤枠のコードを複製し、黄色い網掛け部分を変更してバリエーションを作成します。このままコードを書いていってもいいのですが更に楽できるように次のステップでエクセルを利用したデータ作成方法を紹介します。

※リンク画像はローカルパスで指定します。aiファイルと同じディレクトリに置くことを推奨します。

⑦エクセルで下記画像のように変更する値の部分(⑥の画像の黄色い網掛け部分)と前後のソースコードをセルごとに分けて入力します。

⑧ ⑦で入力したデータを作成するバリエーションの数だけ複製し適宜情報を入力します。

⑨ ⑧で入力したデータをコピーして「Dreamweaver」に戻り青い網掛け部分にコードをペーストしてXMLファイルを任意の場所に保存します。

※原因不明ですが自分の場合ペーストした際に無駄なスペースができてしまったのですがもし無駄なスペースが出来てしまっていたら削除します。

※追記 2015.2.19 画像のファイルパスですがフォルダ名などに日本語を使用している場合バグが出るのでご注意下さい。エラーなどが出た場合はファイルパスを文字化けなどしていないか確認して下さい。

⑩「変数パネル」のサブメニューから「変数ライブラリの読み込み」を選択して⑨で作成したXMLファイルを読み込みます。

⑪これで大量のバリエーションが作成されました。「変数パネル」の「データセット」プルダウンメニューを切り替えてバリエーションを確認して下さい。必要に応じてレイアウトを調整して完成です。

このテクニックは様々なシーンで応用が効くと思うのでご活用いただけると幸いです!

Webデザイン超効率化(バナー制作編)


※フルスクリーンでご覧下さい。

今回は“Webデザイン超効率化 第3弾”として、変数を利用したWebバナー制作を楽にするテクニックを紹介します。

取引企業の中で毎月キャンペーンを実施している会社があるのですが、
都度バナーをサイズ違いで10種類近く作らなければなりませんでした。普通にやっていては結構な手間だったので効率化を図る為に今回の変数を利用した方法を考えました。

【まずは下準備】

①新規ファイルを作成。[幅600px、高600px 72dpi]
シェイプツールでキャンバスサイズいっぱいに(適当でOK)に矩形を作成し“background”と名前をつけます。(後にバナーの背景になります)

②“background”レイヤーをスマートオブジェクト化して、
一旦“background”レイヤーは縮小して右下に移動させておきます。

③また①〜②と同じ行程でスマートオブジェクトを作成し“graphic”と名前をつけます。(後にバナーに入るオブジェクトになります)

【基本となるバナーを作成します】

④任意のサイズのレイヤーボックスを作成します。

⑤次にバナーに入れる情報のテキストレイヤーを作成します。(変数の箱になります)
今回の例では
・サービス名
・テキストL
・テキストM
・テキストS
・コピーライト
としました。

⑤次に変数を定義していきます。
メニューからイメージ/変数/定義 を選択します。
ダイアログが出てくるのでレイヤーのプルダウンで先ほど入力したテキストレイヤーを選択します。
次にテキストの置き換えチェックボックスにチェックを入れてレイヤー名と同じ名前を入力します。
上記作業をテキストレイヤーすべてに定義していきます。

⑥完了したら他のサイズのバナーも①〜⑤の作業を繰り返し行い、作成します。

⑦先ほど②でスマートオブジェクト化した“background”レイヤーを複製して各レイヤーボックスに移動し、レイヤーボックスのサイズいっぱいになるように拡大します。

⑧同じように③で作成した“graphic”レイヤーも複製して各レイヤーボックスに移動し、こちらは任意のサイズで配置します。
以上でベースとなるPSDの完成です。

⑨以上でベースとなるPSDの完成です。

【値を入力するCSVをエクセルで作成】

⑩次は値を入力する為のcsvをエクセルで作成していきます。
1行目に変数を定義したテキストレイヤー名を入力します。
2行目に値を入力します。今回は例としてピザ屋さんを想定して入力しました。
ファイルをPSDと同じ階層にcsvで保存します。
※保存後CSVファイルは必ず閉じて下さい。

⑪Photoshopに戻りCSVを読み込みます。
メニューからイメージ/変数/データセット を選択します。
ダイアログが出てくるので読み込みボタンを押下して
先ほど作成したcsvファイルを選択してOKボタンを押下。
適用ボタンを押下してOKボタンを押下。

⑫これですべてのテキストレイヤーに値が入りました。

【デザインをする】

⑬“background”レイヤーをダブルクリックしてスマートオブジェクトを展開します。
素材を配置して上書き保存。保存が終わったら閉じて下さい。

⑭これで背景が完成です。すべてのバナーの背景に反映されました。

⑮次にオブジェクトをのせていきたいと思います。
“graphic”レイヤーをダブルクリックしてスマートオブジェクトを展開します。
素材を配置して上書き保存。今回はピザを配置しました。
保存が終わったら閉じて下さい。

⑯すべてのバナーにピザが配置されました。

⑰次にテキストを装飾していきます。
レイヤーの絞り込み機能で装飾したいレイヤーを名前で絞り込みます。
例では“新登場!!”レイヤーを絞り込みました。

⑱一つのレイヤーをレイヤー効果で装飾します。完成したらそのレイヤースタイルをコピーして他のレイヤーすべてにペーストして反映します。

⑲あとは他のテキストも同様に装飾していき、レイアウトを調整して完成です。

今回紹介したテクニックは特にルーチンワークに効果的です。
一度作ったデータはフォーマットとして別の案件に流用可能です。
バナーに限らずさまざまな場面で役に立つテクニックだと思うので
ぜひ皆様の業務にあった応用法を考案してご活用ください。

参考ファイルは下記リンク先よりDL下さい。